ブリヂストン × テイジン 共通のビジョンがモビリティの 未来を切り拓く

帝人グループでアラミド事業を展開するオランダの現地法人テイジン・アラミドB.V.が新たに開発したサーキュラー原料を使用したパラ系アラミド繊維「トワロン ネクスト ­TM」が、ブリヂストンがタイトルスポンサーを務める世界最高峰のソーラーカーの大会「2025 Bridgestone World Solar Challenge(以下、BWSC)」の参加車両に供給されるブリヂストン製タイヤの補強材に採用され、チャレンジャークラス、クルーザークラスの両部門で優勝を果たしました。 今回は、開発に携わった方々にお集まりいただき、あらためて開発の過程を振り返り、両社の「共創」によって得た成果や、タイヤ設計にとどまらない、モビリティの今後について伺いました。全3回にわたってお送りします。


㈱ブリヂストン 補強材技術戦略・開発部 矢野 翔一郎さん


帝人㈱ アラミド事業本部 ソリューション開発部 インダストリアルソリューション開発課 村瀬 智也さん


帝人㈱ アラミド事業本部 オートモーティブ課 山下 瞬さん


Teijin Aramid B.V. Global Market Manager Tires Tony Mathew さん

第 3 回 「2025 Bridgestone World Solar Challenge」優勝、その先へ

―― 今回の BWSC で、テイジン・アラミドがオランダ・デルフト工科大学のブルネル・ソーラーチームを支援された経緯を伺えますか。

山下 今回開発したタイヤは複数のチームに提供されていて、ブルネル・ソーラーチームもそのひとつです。同チームは2001年以降すべてのBWSCに出場しており、7回の優勝を果たしている強豪で、学生たちは非常に高い志を持って取り組んでいます。その姿勢に共感し、「トワロンⓇ」製の生地を用いた難燃性保護シートを提供するなどして、同チームを支援してきました。 ―― そのチームがチャレンジャークラスで見事に優勝されました。率直な感想を伺えますか。 Mathew とても嬉しかったですし、誇らしかったです。優勝という結果によって、「トワロン ネクストTM」が、強度や耐熱性および加工性能を損なうことなく、サーキュラー原料を補強材料に使用できる、ということをBWSCの過酷な環境下で証明できました。

© Brunel Solar Team - Hans-Peter van Velthoven ブルネル・ソーラーチームのチャレンジャー・クラス優勝の瞬間

山下 私は現場に行き学生たちの取り組みを見てきたので、優勝は自分のことのように嬉しかったですね。 村瀬 私は嬉しいというより、安心したという気持ちの方が大きかったですね。今回、ブリヂストン様と一緒に開発したタイヤをいろいろなチームに使っていただき、事故やトラブルなく大会が終わってほっとしたのが一番で、そのタイヤを使ったチームの優勝に貢献できてよかったという気持ちです。 矢野 まずは大会全体が無事に終わり安心しました。もちろん、帝人様が支援していたチームが「トワロン ネクストTM」を適用したブリヂストン製のタイヤを使って優勝されたことは私としてもとても嬉しかったです。

―― 今回の共創の過程で、互いに自社にない強みや独自性などを感じることもあったのではないかと思いますが、いかがでしょう。

村瀬 なぜこの性能を上げる必要があるのかをご説明いただいた際の、求めているレベルの高さ、あらゆる角度から性能を追求していく姿勢に、さすが世界に名だたる企業、ブリヂストン様だなと感じました。一方で、「トワロン ネクストTM」の可能性が見えた段階で、即「BWSC」を目指すことが決まり、意思決定のスピードの速さに驚かされました。 山下 ブリヂストン様は、社会に向けて非常に明確なメッセージを打ち出すと同時に、同じことを社員の皆様がしっかり言える会社だと強く感じました。最も伝えるべきことはなにかを社員が理解し、実践している。これは、見習わなければいけないと思います。 矢野 ありがとうございます。帝人様からご提案を受けた際に、さまざまな取り組みについて伺いましたが、バリューチェーン全体を通したサステナビリティに対する考え方や実際の取り組みが非常に進んでいるという印象を受けました。サステナビリティの実装を意識した開発に取り組まれており、我々も模範にしたいと感じました。

―― 今回の「共創」で得たものと、それを今後どう活かしていきたいかを伺えますか。

Mathew 今回の「共創」によって、サステナビリティとハイパフォーマンスが両立できることを示しました。今後、「トワロン ネクストTM」のタイヤ用途での採用がさらに進むことを期待しています。

村瀬 サーキュラー材料を使ったパラ系アラミド繊維がタイヤ用途に使えるという確証を得られたのは、大きな成果です。サーキュラー材料の比率を上げていくという流れは確実にあるので、今後この比率を高めて、より環境に貢献できるものを量産化し、一般のお客様に適用できるようにしていくことが次のステップだと思っています。

矢野 おっしゃる通りです。再生材料を使ったタイヤコードの技術を確立し、今後は、この技術を量産市販用タイヤへ応用できるかが課題になってきます。「トワロン ネクストTM」については、ソーラーカータイヤ以外でもサステナビリティを訴求していくタイヤとは親和性が高く、さまざまな可能性があると思っています。 山下 同感です。より価値の高いものを目指してブリヂストン様との新たな共創も始まりますし、「トワロン ネクストTM」の用途の拡大も進めていきたいと思います。

―― 最後に、サーキュラー素材・タイヤ・モビリティの今後について、それぞれのお考えをお聞かせください。

矢野 当社では「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして、社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンを掲げています。再生資源の活用やそれに関わる技術の発展は社会課題の解決、社会価値提供につながる取り組みとして、今後、より力を入れていきたいと考えています。再生資源を素材として利用すると、製品の価格が割高になることは否めませんが、一般のお客様にも、環境負荷低減に貢献できるというところに価値を感じていただけるように、我々の取り組みに対する理解・共感を深めていくことも必要だと思っています。 山下 素材を提供する我々としては、どんなにいい素材をつくってもお客様に採用していただかなければ社会で役立つことができません。より多くの会社様に使っていただけるような素材の開発を目指し、同時に、今回のような共創の機会をひとつでも多く作り、素材の可能性を広げていきたいですね。 村瀬 誰もが思い描く理想形は完全循環型で、いかに廃棄物ゼロに近づける仕組みをつくるかだと思います。とはいえ、お二人から指摘があったように、価値観やコスト、インフラ、サプライチェーン連携など、さまざまな課題があり、一気に解決できることではありません。まずは、関係者間で理想のあるべき姿を共有しながら、それぞれ目の前にある課題を一つ一つクリアしていくことが大事なのではないでしょうか。

―― ありがとうございました。


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