ブリヂストン × テイジン 共通のビジョンがモビリティの 未来を切り拓く

帝人グループでアラミド事業を展開するオランダの現地法人テイジン・アラミドB.V.が新たに開発したサーキュラー原料を使用したパラ系アラミド繊維「トワロン ネクスト ­TM」が、ブリヂストンがタイトルスポンサーを務める世界最高峰のソーラーカーの大会「2025 Bridgestone World Solar Challenge(以下、BWSC)」の参加車両に供給されるブリヂストン製タイヤの補強材に採用され、チャレンジャークラス、クルーザークラスの両部門で優勝を果たしました。 今回は、開発に携わった方々にお集まりいただき、あらためて開発の過程を振り返り、両社の「共創」によって得た成果や、タイヤ設計にとどまらない、モビリティの今後について伺いました。全3回にわたってお送りします。


㈱ブリヂストン 補強材技術戦略・開発部 矢野 翔一郎さん


帝人㈱ アラミド事業本部 ソリューション開発部 インダストリアルソリューション開発課 村瀬 智也さん


帝人㈱ アラミド事業本部 オートモーティブ課 山下 瞬さん


Teijin Aramid B.V. Global Market Manager Tires Tony Mathew さん

第 2 回 情報共有と腹を割った話し合いで難局を打開

―― タイヤの試作から 1 年弱という、短期間でのスピード開発を可能にした要因は何だったのでしょう。

矢野 試作スケジュールを帝人様と共有し、当社ではコードが届いたらすぐに試作を進めてテストが実施できるよう、工場も含めた体制を構築しました。帝人様からは、スケジュール通りにコードをご提供いただけたのはもちろんですが、テストをしている最中にも次の改良品、次の改良品という形で、次々に新たなご提案があり、PDCA を素早く回せたことが大きな要因だったと思っています。帝人の皆様の開発にかける情熱を感じました。

村瀬 スケジュールの共有だけでなく、非常に緊密なやり取りをしながら進められたのがよかったと思います。「こういったコンセプトのコードをご提供しようと思いますが、興味はありますか」「それはぜひ」といったやり取りも頻繁にさせていただけたので、試作日に合わせて最もいいものを提案しつつ、常に次が控えているという状態をつくることができました。

――「トワロン ネクスト TM」を開発したオランダのテイジン・アラミドとの連携はどのように行われたのでしょうか。

山下 当社内では日常的にやり取りをしているので、特に問題はありませんでした。心がけていたのは技術的なことの確認や、試作品の生産状況やテストの結果など、情報共有を普段以上に密に行うこと。そうすることで、開発側からのフィードバックもスピーディに行われ、それが試作に活かされていたと思います。

矢野 私も 2024 年 3 月に、テイジン・アラミドの本社を訪問させていただきました。直接、開発に携わっている方々とお会いして、我々の考えをお伝えし、理解を得ることができたと感じています。さらに、実際の生産現場も見せていただいたので、具体的なイメージを持って開発に着手できたこともスピーディーな開発につながったと思います。

Mathew 今回、お客様が開発拠点をおく日本において、日本の営業や加工技術の担当者が直接対応したことでお客様との緊密なコミュニケーションが取れ、我々との情報共有もスムーズに行うことができました。加えて、グループ会社の帝人フロンティアのタイヤコードの加工能力を活用することで、お客様にテーラーメイドのソリューションを提供することができました。帝人グループ内の多様な専門性を結集し、帝人グループの総合力が活かされたのです。

―― スピード開発を進める中で、困難なこともあったのではないでしょうか。

村瀬 帝人フロンティアには、通常の生産もある中で試作を行ってもらったので、大変だったことは否めません。常に試作のスケジュールは共有していましたが、我々としては次々に改良品を出していきたいという思いもあり、かなり無理をいって生産機を空けていただくこともありました。テストも後半になると、ほんのわずかな性能の違いが大きな意味を持つようになるのですが、そこを現場に理解してもらうために、矢野さんに協力していただいたこともあります。 矢野 「生産現場から、“なぜ、この性能を上げなければいけないのか”という質問があり困っています」というお電話をいただきました。従来のやり方ですと、仕様書をお渡しして、単純にこの項目が当社の求める基準に達していないので改良いただきたいということをお伝えするだけなのですが、現場の方々の熱意に応えるためにも当社の考えをしっかりお伝えすべきだと思いました。そこで、求めているのが安全に関わる性能であり、コードのこの性能を上げることでタイヤの性能にどう効くのかというデータを用意して、村瀬さんと一緒に説明に伺いました。 村瀬 矢野さんの口から説明していただいたことで、現場スタッフの士気が上がりました。ブリヂストン様のタイヤ設計において決して譲れない部分を共有していただくことで、誰もが納得して、最後まで高いモチベーションを維持することができました。 矢野 今回、「トワロン ネクスト TM」が、環境性能と優れたタイヤ性能を両立するということを証明したいという気持ちは双方にあり、互いに情報開示をして仕様書のやり取りだけの関係ではない信頼関係を構築できたと感じます。 村瀬 でも、本当にギリギリでしたよね。最後の最後、あともう一歩がなかなかクリアできず、かなり追い詰められました。それまでのデータをすべて見直して、少しずつ条件を変えたり、組み合わせを変えてみたり、とにかく試せるだけのことを試して、ひととおりの性能をクリアしたのが 11 月末。それでも安心できずにギリギリまで検証して、「これで生産しましょう」と言っていただけたときは本当に安心しました。

―― 今回の「共創」を通してどのようなことを感じたでしょうか。

矢野 今回、「トワロン ネクスト TM」という新しい素材を用いたタイヤを開発し、「BWSC」でその価値検証ができた。それこそが、帝人グループとの共創がなしえた大きな成果だと感じます。

山下 一切、妥協することなく突き進んでこれた。これはどちらにも言えることだと思いますが、「共創」したからこそ、最後までやり通せたのではないでしょうか。

村瀬 そうですね。開発を進める中で、どういった材料が良いコードになるかという知見を得ることができました。また、「トワロン ネクスト TM」を使ったコードの性能はこれが限界ではないという認識は、ブリヂストン様とも共有しているので、さらにいいものを目指したいです。

テイジン・アラミド B.V. エメン工場(オランダ) 「トワロンⓇ」生産ライン

―― ありがとうございます。この続きは、「第3回『2025 Bridgestone World Solar Challenge』優勝、その先へ」で、ご紹介します。


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